天職に出会うための転職なんてありません。

「天職を探して転職、いま無職」とった川柳がありましたが、見事に今の転職事情を表していると感心しました。転職相談に応じているとこうした状態の人が現実にたくさんいるからです。特に若い人に多いように感じます。「自分に合った仕事を探して欲しい」と直接言われる人もいるくらい、天職志向が強くなっているようです。「天職」とは、派遣会社や転職支援会社が創りだした造語です。若い人が天職に出会うための転職を繰り返してくれれば、こうした会社が儲かります。こうした戦略に求職者だけでなく学校関係者も乗っかり「天職」とか「適職」といった言葉が市民権を得るようになりました。しかし現実に働く前に合っているかどうかなんて分かりません。

天職に出会うためにはまず「どんな仕事でも意欲的に取り組んでみる」という姿勢が必要だと思います。世の中、やりたい仕事だけ出来る状況なんてまず有り得ません。会社経営者ですら思うように経営出来ない今、ましてや雇われて働く側がやりたい仕事だけ出来る状況ではありません。そこで「やりたい仕事と違った」からといって安易に転職していては天職には出会えません。いろんな仕事を経験するうちに本当に自分に合った仕事に出会えるのです。また、違うジャンルの仕事を経験することで出来る仕事の範囲が拡がり、新たなチャンスに出会える可能性も出てきます。「天職」というものには待っているだけでは出会えないと思います。自分からどんな仕事がしたのか、という情報をどんどん発信していく姿勢も重要です。

最近の若者は、小さい頃から親や学校からの情報を基に生活を送って来ているので、自分で考える習性が付いていないケースが目につきます。学生時代はそれでも問題無くても社会に出れば通用しません。自分で考えて自分から行動を起こさないと機会は巡って来ないのです。どんな条件の仕事が自分にとっての天職なのか、をしっかりイメージすることが大切です。そしてどうすればその仕事に出会えるのか、を自分で考えるのです。現実的に天職というものに出会えている人の年齢は決して若くありません。いろいろな経験を踏まえて自分の天職を見つけ出している、あるいは目の前の仕事を天職にしているのです。「天職」には人任せでは決して出会えません。まずは目の前の仕事に精一杯向かい合って取り組んで行きましょう。それが天職に出会う近道なのかもしれません。闇雲に転職を繰り返しても決して「天職」には出会えません。